自宅で手軽に脱毛ができる家庭用脱毛器ですが、使用した人の中には「火傷をした」「痕が残った」という人もいます。家庭用脱毛器は、毛を生やす組織に熱を与えることによって脱毛効果が得られるので、使い方を誤ると火傷をする可能性があります。

綺麗な肌を手に入れるために脱毛をして、火傷痕が残ってしまったら元も子もありません。そんな事態を防ぐために今回は、家庭用脱毛器で火傷をする原因や防止策、火傷をしてしまった場合の対処法をご紹介します。

家庭用脱毛器で火傷する原因

家庭用脱毛器で火傷をする原因として、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 脱毛器の使い方を誤っている
  • ムダ毛の処理が不十分
  • 脱毛前の冷却が不十分
  • 脱毛前後に日焼けをする
  • 脱毛前後に飲酒・入浴をする
  • 照射パワーが強すぎる

脱毛器の使い方を誤っている

取扱説明書や注意事項をよく読まずに、誤った使い方をして火傷をするケースは少なくありません。機種によっては照射してはいけない部位などもあり、特にVIOは照射不可能の場合もあるため、知らずに照射してしまうと火傷のリスクが高まります。

また、ホクロやアザ、シミなども、脱毛器の光が反応して火傷に繋がる可能性が高いです。

使用頻度についても、短いスパンで照射し過ぎると、脱毛効果は変わらず、肌へのダメージだけが蓄積されて火傷を負うことがあります。

ムダ毛の処理が不十分

脱毛前にはムダ毛の処理が必須ですが、処理が不十分だと火傷をする可能性が高まります。

脱毛器の光は黒い色素に反応するため、毛が長いままだと、毛根だけではなく伸びた毛にも反応してしまい、熱が肌に伝わって火傷をすることがあります

脱毛前の冷却が不十分

脱毛器は正しく使っていても熱を発するため、照射部が触れる肌の冷却が大切です。この冷却が不十分だと肌に熱がこもってしまい、火傷に繋がる危険性が高まります

脱毛前後に日焼けをする

脱毛器の光は、メラニンという黒い色素に反応するため、日焼けによって黒くなった肌にも同様に反応します。毛を生やす組織にダメージを与える光が肌に反応すると、火傷や肌トラブルに発展するのは想像に難くありません。

また、日焼け後の肌は、紫外線によってダメージを受けていて軽い火傷状態であるため、さらに脱毛器の熱を加えることは大変危険です。

脱毛前後に飲酒・入浴をする

飲酒や入浴は、血行の促進や体温の上昇を招くため、脱毛前後には望ましくないとされています。激しい運動なども同様で、肌内部の温度が上がって炎症を起こしやすくなります

照射パワーが強すぎる

脱毛効果の実感を焦るあまり、照射パワーを最初から極端に上げる人がいますが、これは大変危険な行為です。肌の状態が良くなかったり、痛みを我慢して照射し続けたりすると、火傷や肌トラブルに繋がります。

家庭用脱毛器で火傷しやすい人

家庭用脱毛器で火傷しやすい人の特徴には、以下のようなものが挙げられます。

  • 肌荒れしている
  • 肌の色が黒い
  • 肌が乾燥している
  • 生理前後である

肌荒れしている

肌荒れをしている状態は、肌がダメージを受けていて敏感になっています。この状態で脱毛器の光を照射すると肌の状態が悪化したり、火傷をしたりする恐れがあります。

肌の色が黒い

前述の通り、脱毛器の光はメラニンという黒い色素に反応するため、黒い肌にも同様に反応しますが、これは日焼けによるものだけではありません。生まれつき肌が黒い、いわゆる「自黒」の場合も脱毛器の光が反応してしまう場合があるため注意が必要です。

脱毛器の取扱説明書などに使用可能な肌のトーンが記されていることが多いので、使用前に確認しましょう。

肌が乾燥している

乾燥している肌は、バリア機能が落ちていてダメージを受けやすくなっています。そのような状態だと、肌が脱毛器の光に過敏に反応してしまい、肌トラブルや火傷のリスクが高まります。日頃からの保湿を怠らないようにしましょう。

生理前後である

生理前後はホルモンバランスの乱れなどによって、肌が敏感になったり、肌トラブルが起きやすくなったりします。そのため、生理前後は家庭用脱毛器の使用を避けることが望ましいです

家庭用脱毛器で火傷した時の対処法

注意して家庭用脱毛器を使用していても、火傷をしてしまった場合の対処法は大きく2つのパターンに分けられます。

  • かゆみがある場合
  • 痛みがある場合

かゆみがある場合

見た目に大きな変化が無く、照射部にかゆみを感じる場合は、軽い炎症を起こしている状態です。まずは保冷剤などで照射部をしっかり冷やし、その後保湿剤などで乾燥を防ぐようにしましょう。

多くの場合は数日でかゆみが無くなりますが、数日経っても変化が見られない場合は、速やかに皮膚科を受診しましょう

痛みがある場合

明らかに照射部の見た目に変化がある場合や、痛みが続く場合は要注意です。速やかに水道水や保冷剤で照射部を10分以上冷やし、その日のうちに皮膚科を受診しましょう

水ぶくれができている場合は、潰れないようにガーゼなどで保護してください。

家庭用脱毛器の火傷痕は消える?

家庭用脱毛器による火傷で心配な点の一つが、「火傷痕は消えるのか」ということではないでしょうか。

火傷には段階があり、その段階によって痕が残るかどうかが左右されます。火傷の段階を示したものは以下の通りです。

  Ⅰ度 Ⅱ度 Ⅲ度
損傷レベル 表皮より浅い 表皮・真皮 皮膚全層・皮下組織
症状(外見) 赤み(充血・発赤) 水疱(水ぶくれ) 乾燥(黒色、白色)
症状(自覚) 痛み、熱感(熱い) 痛み(損傷レベルが深くなるにつれて痛みが減少) 無痛、感覚なし
治癒機関 数日 1~4週間 1ヶ月以上
傷跡 残らない 残る場合と残らない場合がある 残る

家庭用脱毛器で火傷しないために

家庭用脱毛器で火傷をしないために重要なポイントは以下の通りです。

  • 前日までにムダ毛を処理しておく
  • 脱毛前後の冷却を怠らない
  • ホクロやアザ、シミなどを隠す
  • 使用前に照射テストを行う

前日までにムダ毛を処理しておく

脱毛前のムダ毛処理も肌に負担をかけるため、脱毛の直前に行うことは望ましくありません。肌がダメージを受けた状態で脱毛器の光を照射することを避けるため、前日までにムダ毛の処理を済ませるようにしましょう。

脱毛前後の冷却を怠らない

脱毛器の熱による火傷を防ぐために、照射前に照射部をしっかり冷却しておくことが効果的です。また照射後も冷却を行うことで熱がこもりにくくなり、火傷しにくくなります。

最近では、冷却機能がセットになった家庭用脱毛器も発売されているため、冷却の手間をかけることなく火傷を防ぐことができます。

ホクロやアザ、シミなどを隠す

ホクロやアザ、シミなどは注意していても光が当たってしまう可能性があるため、事前にシールなどで覆っておくと良いでしょう。専用のシールが付属している場合や、市販のものもあるので活用しましょう。

使用前に照射テストを行う

いきなり高出力で照射することは大変危険なため、使用前にまずは低出力でケアしたい部位の一部に照射して肌に異常が無いか確かめましょう

慣れてきたら徐々にパワーを上げても良いですが、異常が見られる場合はすぐに使用を中止するか、パワーを下げて使用するようにしてください。

家庭用脱毛器は正しく使おう

今回は、家庭用脱毛器による火傷について解説しました。

自宅で手軽に脱毛ができる家庭用脱毛器ですが、使い方を間違えると思わぬトラブルに発展する可能性もあるということをご理解いただけたのではないでしょうか。

正しい使用方法を守り、細心の注意を払いながら、家庭用脱毛器を活用して美しい肌を手に入れましょう。